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食薬とは

「食薬」は、数千年にわたって受け継がれてきた漢方の経験則と、現代科学の最新知見を融合させた、いわば**“ハイブリッド健康法”**です。東洋医学が説く〈気・血・水〉のバランスや〈五臓〉の働きといった考え方に、ミトコンドリアの活性化、腸内環境の改善、血糖コントロール、慢性炎症対策など分子栄養学の視点を組み合わせています。これにより、伝統的な薬膳よりもさらに具体的で、一人ひとりの体質や悩みに合わせた効率的な食事提案を可能にしました。
“食べること”を通して、心と体の調子を整え、未来をつくる習慣
朝、すっきり起きられましたか?お昼ごはんのあと、どっと疲れが出たり、眠気に襲われていませんか?
最近、イライラしやすかったり、集中できなかったり、気分が下がることはありませんか?
――そんな日常の“ちょっとした不調”も、じつは体と心からのサインです。
そしてそのサインに一番影響を与えているのが、毎日当たり前に続けている**「食事」**です。
食べたもので、体だけでなく“感情”や“思考”も変わっていく
「脳がうまく働かない」「やる気が出ない」「ホルモンバランスが崩れている気がする」――これらはすべて、見えないけれど確かに存在する“神経・内分泌・免疫”という3つのシステムの乱れが関係しています。
そしてそのシステムを支えているのが、毎日の食事なのです。
食事は、“一度”では変わらない。変えるのは、日々の習慣
食事の影響は、1回で劇的に現れるものではありません。
貴重な薬膳料理を1回食べても、翌朝いきなり別人のように変わるわけではないし、反対にジャンクフードを一度食べたからといって病気になるわけでもありません。
でも、「毎日、何を選んで食べているか?」が、数ヶ月後・数年後の自分を確実に変えていくのです。
習慣こそが、体質を決める――エピジェネティクスという視点
遺伝子は変えられませんが、“遺伝子の働き”は変えられます。
それを科学的に説明するのが「エピジェネティクス」という考え方です。
研究では、遺伝よりも生活習慣(特に食習慣)が、健康に7割以上影響していることがわかっています。
つまり、「どう生まれたか」よりも、「どう暮らしているか」の方が、はるかに重要だということです。
食薬は、「薬膳」よりももっと身近で、続けやすい
薬膳は素晴らしい知恵です。
でも、「特別な食材が必要そう」「作り方が難しそう」といった印象があるのも事実。
日常的に続けようとすると、ハードルを感じてしまう人が多いのではないでしょうか。
そこで私たちは、もっと身近で実践しやすいスタイルを目指して「食薬(しょくやく)」という言葉を選びました。一番初めやすいのは、血糖値・腸内環境を意識した食事です。小さな1歩で十分なので、初めは質より量を重視して、とにかく自分の心と体に良いことを1日1つでもよいので、今日から実践してみてください。小さな一歩が、大きな変化への第一歩です。

食薬は、「我慢」ではなく“選択肢を広げる”習慣
「これは食べちゃダメ」「我慢しなきゃ」――そんな風に感じる食事は、長続きしません。
食薬は、“制限”ではなく“視野を広げて選べるものを増やす”ための習慣です。
たとえば…
- いつも選ばなかった旬の葉野菜を取り入れてみる
- 調味料を精製塩から天日塩や藻塩だけで食材を味わってみる
- うま味たっぷりの乾物や出汁を料理に使ってみる
- 洋食にも合うスパイスや和漢素材を気軽に活用してみる
こうした工夫が自然と「体を整える選択肢」を増やしてくれます。
「これも使える」「この食材、意外と簡単かも」と発見が増えることで、無理なく、気づけば“良い選択”が増えている自分に出会えます。
ピザやラーメンも、目的を持って選べば“整う食事”になる
健康のためにピザをやめる?ラーメンを禁止する?――いいえ、そうではありません。
大切なのは、「何を食べるか」ではなく、「なぜそれを食べるのか?」という“目的”を明確にすることです。
- 「今日は、30分並んで最高のラーメンを食べて心をほぐそう」
- 「友達と過ごす時間を大切にしたいから、ピザを楽しもう」
目的を持って食べることで、罪悪感のない“幸せな食事”に変わります。
これは、健康に執着しすぎるあまり心が疲れてしまう「オルトレキシア(健康強迫症)」を防ぐためにも、とても大切な視点です。
忘れないでほしい、「食事時間は人生を彩る大切な時間」だということ
どんなに体に良い食事でも、「美味しくない」「楽しくない」と感じてしまっては本末転倒です。
だからこそ、食事には“整える日”と“楽しむ日”を設けましょう。
ピザやラーメンを、仲間と笑いながらワイワイ食べる時間も、かけがえのない人生の一部です。
大切なのは、【長期的な目線で“整える食事の割合”を少しずつ増やしていくこと】。目的を明確にし、メリハリをつけて食事をとることで、嗜好食も罪悪感なく、心から楽しめるようになります。
記録することで、「気づき」と「変化」が生まれる
食薬を習慣化するためには、食薬手帳やレコーディングシステム、食薬アドバイザーによるサポートを活用することがあります。
そこでは、食事だけでなく、気分・体調・睡眠・便・食べ方なども一緒に把握することで
毎日の“なんとなくの選択”が、記録を通じて“理由のある選択”へと変わっていきます。
ふと記録を見返したとき、
- 「この時期は体調を崩しやすいな」
- 「この食材を使った日は気分が良い」
そんな“自分だけのリズム”に気づくことができます。
その記録こそが、未来の自分のための健康バイブルになるのです。
食事は、ただ栄養を補うための時間ではありません。
健康になるだけではなく、コミュニケーションや幸福を与えてくれる、あなたの感性や感情、人生の楽しみそのものを支える、かけがえのないひとときでもありす。
私たちが食薬をすすめる理由は、「健康になること」が最終ゴールだからではありません。
本当の目的は、あなたが毎日を、もっと軽やかに、もっと自由に、もっと豊かに生きられるようにすることです。
たとえば――
ひらめいたときにすぐ動ける瞬発力、
食べたいものを気兼ねなく食べられる胃腸の状態、
新しいことに臆せずチャレンジできる好奇心、
そして、どんなにがんばっても翌朝には疲れを残さないタフさ。
そうした“エネルギッシュな自分”を育てるために、日々の食事があるのです。
「美味しくて、気分も整って、体も元気になる」――
そんなふうに、“自分を整える選択”を自然と増やしていけたら、
人生そのものがもっとクリアに、もっと楽しく、もっと「私らしく」輝いていきます。
健康はゴールではなく、人生を思いっきり楽しむための“土台”
健康は、ゴールではありません。
好きなものを美味しく食べて、思いっきり頑張ったり、楽しんだり、やりたいことに全力で向き合える日々。
その舞台を支える“整ったからだ”を、食薬はやさしく育ててくれるのです。
今日から、小さな一歩を――
未来のあなたが「あのとき始めてよかった」と思えるように。
そして、どんな日も「よし、今日もやってみよう」と思える毎日が続くように。
食薬は、あなたの人生を“まるごと味わう力”を育てる習慣です。
今日から、小さな一歩――**“食べ方を意識すること”**から、はじめてみませんか?